MASTA 16は、パワートレインエンジニアがより多くの設計案をより迅速に検討できるよう支援します。AI、自動化、HPC、より忠実度の高いシミュレーションを組み合わせた新バージョンが、エンジニアリング上の意思決定を加速します。

業界をリードするパワートレイン設計・解析ソフトウェア「MASTA」を開発するSmart Manufacturing Technology(SMT)は本日、エンジニアがより優れたパワートレインをより迅速に開発し、より確信を持って意思決定できるよう支援することに重点を置いた、プラットフォームのメジャーアップデート「MASTA 16」のリリースを発表しました。

エンジニアリングチームには、より静かで、より軽量かつ高効率で、信頼性に優れたパワートレインシステムを提供することへのプレッシャーがますます高まっています。MASTA 16は、個々のコンポーネントを個別に解析するだけでなく、システム全体の挙動に基づいて、より的確な意思決定を行えるよう支援します。MASTA 16には、シミュレーションにおけるボトルネックの軽減、設計探索範囲の拡大、予測精度の向上、および複雑化が進む電動パワートレインへの対応を目的とした、さまざまな新技術が導入されています。

高忠実度シミュレーションは、設計上の意思決定を支えるために必要な精度を提供しますが、多くの場合、計算コストが高すぎるため、エンジニアが考えられるソリューションを幅広く、十分に検討することが困難になります。MASTA 16は、この課題に的確に対応するため、シミュレーション主導のエンジニアリングを高速化・大規模化するとともに、その結果に対する信頼性を高めることを目指して開発されました。

SMTのCEOであるPramod Mooneeramsingは、今回のリリースは、現代のエンジニアリング組織においてシミュレーションに求められるものが変化していることを反映したものだと述べています。

「現在、エンジニアが直面している課題は、開発の成果に影響を与えられる十分に早い段階で、確信を持って設計上の意思決定を行うことです。MASTA 16は、エンジニアがより多くの設計案を迅速に検討し、反復的な作業を自動化するとともに、結果に対する確信を高められるよう支援することに重点を置いています。その結果、エンジニアリングの厳密さを損なうことなく、開発サイクルを短縮できます。」

パワートレインシステムが進化し、特に電動化への移行が進む中、エンジニアには、複数のコンセプトを検討・検証する時間が限られている場合でも、開発サイクルのより早い段階で設計上の意思決定を行うことが求められています。

SMTのCTOであるPaul Langloisは、次のように付け加えています。

「パワートレインシステムは、統合化、電動化、相互接続がますます進んでいます。エンジニアには、実用性を損なうことなく、それらの相互作用を理解できるツールが必要です。そのためには、コンポーネントを個別に解析するのではなく、コンポーネントの弾性、歯面接触、そしてシステム全体のダイナミクスがどのように相互作用するかを正確に表現することが、これまで以上に重要になっています。」

AI、自動化、スケーラブルコンピューティングによる開発の加速

MASTA 16の大きな重点の一つは、エンジニアがより多くの設計案を、より短時間で評価できるようにすることです。MASTA 16に新たに搭載されたハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)機能により、複数のマシンやリモートのコンピューティング環境にシミュレーション処理を分散できるようになりました。これにより、より大規模な検討、所要時間の短縮、より広範な設計探索が可能になります。また、新たに導入されたコマンドラインインターフェイス(CLI)により、自動化されたエンジニアリングワークフローや既存の開発パイプラインとの統合も容易になります。

MASTA 16では、マシンラーニング(機械学習)歯面修整最適化が大幅に強化され、SMTによるエンジニアリングワークフローへの実用的なAI活用がさらに拡大されています。主な強化点には、AI支援による接触領域の評価、多目的パレート最適化、そしてエンジニアリング上の有用性を維持しながら最適化の実行時間を大幅に短縮するサロゲートモデリング技術が含まれます。

これらの機能は、エンジニアリングの専門知識に取って代わるものではなく、エンジニアがより多くの可能性を検討し、反復的なシミュレーション作業ではなく、意思決定に注力できるよう支援することを目的としています。

MASTA 16を使用したある顧客評価では、マシンラーニング(機械学習)を活用した最適化手法により、開発時間が約90%短縮され、エンジニアは同等の設計成果に大幅に短い時間で到達できました。

MASTA 16では、AI支援による音響アップスケーリングも新たに導入されています。この機能は、高忠実度の音響シミュレーションとマシンラーニング(機械学習)を組み合わせることで、重要なNVH挙動をより効率的に特定します。さらに重要な点として、結果は信頼区間と併せて表示されるため、エンジニアは予測された挙動と、それに伴う不確実性の両方を把握できます。

より忠実度の高いシミュレーションによる信頼性の向上

設計プロセスのますます早い段階でシミュレーションが活用されるようになるにつれ、その結果に対する信頼性がこれまで以上に重要になっています。MASTA 16では、実用的なエンジニアリングワークフローを維持しながら、モデリングの忠実度を向上させることを目的とした、複数の新たな機能が導入されています。

中でも特に重要な進歩の一つが、Flexible Gear Blank Advanced LTCAの導入です。この機能では、ギヤの歯面接触、ギヤブランクの弾性変形、さらにシステム全体にわたる相互作用を、単一の計算内で完全に連成させます。従来、これらの影響は単純化されたり、個別に解析されたりすることが多く、軽量ギヤや薄肉リムギヤが実際のトランスミッション内でどのように挙動するかを完全に捉えることは困難でした。

MASTA 16のFlexible Gear Blank Advanced LTCA:ギヤ応力と伝達誤差をより高精度に評価。高性能用途、軽量設計、EVパワートレインに特に有用です。

MASTA 16では、ギヤブランクと歯面接触の両方を単一の有限要素モデルで表現するとともに、局所的な接触剛性にはヘルツ接触モデルを使用しています。これにより、エンジニアは伝達誤差、荷重分布、ギヤ応力をより高い確信を持って予測でき、実際の運転時の挙動をより現実に即して表現できます。これは特に、構造柔軟性がNVH、耐久性、効率に及ぼす影響がますます大きくなる、高性能、軽量、電動パワートレインにおいて有用です。

これらの機能強化は、自動車や航空宇宙などの用途における高速・電動パワートレインにおいて特に重要です。こうしたパワートレインでは、構造柔軟性と動的な相互作用が、性能、耐久性、NVH挙動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

電動モータ機能の拡充

電動パワートレインが引き続き成長していることを受け、MASTA 16では、電動モータ機能も拡充されています。新機能には、表面磁石型(SPM)電動モータへの対応、減磁解析、実測電流波形の入力、および電動モータ設計の検討に向けたパラメトリックスタディ機能の強化が含まれます。

これらの機能強化により、エンジニアは電気システムと機械システムの相互作用をより深く理解できるようになるとともに、電動モータシミュレーションを実際の運転条件により近づけることができます。その結果、システムレベルでの理解が深まり、開発のより早い段階で潜在的な問題を特定できるようになります。

ベアリング軌道輪の連続弾性変形補間:変形と荷重分布をより正確に表現し、大規模システムや弾性構造のモデリングを大幅に向上

MASTA 16の提供を開始しました。

詳細については、 www.smartmt.com/masta16 をご覧ください。

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