MASTA 13は当社のリーディングCAEソフトウェアの最新リリースです。アップデートと改良点については以下をご覧ください。
MASTA 13 ソフトウェア
MASTA 12でリリースした高速ボールベアリングの準静的解析に続き、MASTA 13では新たにボールベアリング動解析モジュールを追加し、さらに改良を図りました。
システム・オプティマイザーが大幅に強化され、複雑なプラネタリー・システムの設計に対応できるようになり、また設計候補の品質も向上しました。
設計者は複数レシオの設計を実行することができ、MASTAは指定された条件に基づいて設計候補を提案します。
これに加えて、NVHオペレーティングマップは高調波解析のトルクによる剛性変化を考慮して作成されます。
また、普及が進んでいるヘアピン巻線も、MASTAの電動モータモジュールで解析できるようになりました。
さらに、MASTA 13では、Pythonスクリプトの操作性向上、Ansys 2023のサポート追加、ステーターティースのモーメントからのNVH加振など、さまざまな機能を強化しました。
電動モータヘアピン巻線
- 電動モータの設計に適合するヘアピン巻線を選択して構成します。
- コイル構成は自動生成され、カスタマイズすることも可能です。
- MASTAは、自動的に構成が強い対称性か弱い対称性かを判断します。
- 各ヘアピン導体の寸法と特性を設定することができます。
- 導体は CAD からも選択可能です。
- 電磁界解析の結果には、ヘアピン巻線構成のAC巻線損失を含めることができ、運転周期の時間に対するグラフを作成することができます。
- 一定周期における時間平均AC損失や 任意の時点でのAC損失密度のビジュアル化も可能です。
- AC巻線損失は、非線形DQ 磁束マップモデルに対しても生成することができ、これらのモデルから生成される効率マップにその影響を含めることができます。
NVHオペレーティングマップ
- ギヤや電動モータのうなり音に対する従来からのNVH解析は、一定の運転負荷で線形化したモデルを用いて、周波数領域で迅速に計算することができます。
- 全運転領域にわたる周波数領域のNVH応答を組み合わせて応答マップを作成する新たな手法を導入しました。
- 速度によるトルク変化を考慮して、オーダーカットや ウォーターフォール図を作成することができます。
- エクスポートや API へのアクセスを含めて、個別のロードケースを自動的に生成し、結果を合成します。
- 電動モータ以外の加振に対して、MASTAはトルクと速度に対する動的応答を示すトルクマップを表示することができます。
- 基準パワーロードのトルク入力方法が Electric Machine Harmonic Load Data( 電動機高調波負荷データ)に設定されている場合、トルク速度カーブは Harmonic Load Data Set から読み込まれます。
- 特に、ギヤが大きな速度とトルク範囲にわたって運転される典型的なEVアプリケーションでは重要なポイントです。
高速ボールベアリング解析(動的)
- このモジュールでは、1つのボールベアリングの動的モデルについて所定の時間周期で解析することができます。
- 衝撃力分布を含めて、保持器の設計と動的挙動を解析し、ベアリング内部諸元、保持器設計、潤滑油レオロジーが動力損失などの結果にどのような影響を与えるかを検討することができます。
- このモデルは、ボールに6自由度モデル、保持器に3自由度モデルを適用しています。
- ボールと軌道面の接触部の油膜厚さは、接触楕円の楕円率の影響を含め、すべての潤滑レジームをカバーする方法を用いて計算さ れます。
- 摩擦係数は、表面状態(凹凸)の影響、潤滑油のレオロジー、温度、圧力を考慮した完全な潤滑接触の潤滑油モデルを使用して計算されます。
- ボール-軌道間のスミアリング・リスクを評価するために、スミアリング・クライテリアを計算します。
- すべての力、モーメント、ボールと保持器にかかる動力損失の成分を含めて、包括的な時系列結果を示すことができます。
- 準静的モデルではモデル化できない動的な挙動、特に高速回転で起こり得る挙動を捉えることができます。
- 動的解析は、準静的解析で得られたすべてのベアリング情報と運転条件を使用するため、設定と実行は非常に簡単です。
システムオプティマイザー
- 設計者はシステムの最適化を実行し、各ギヤセットに設定した制限内の全歯数を探索して、デザインステートの目標レシオで指定した正しいレシオを達成する組み合わせを見つけることができます。
- システム・オプティマイザーは、マクロ諸元の最適化機能を用いてギヤセットの設計候補を探し出し、強度、パッケージング、接触率の要件を満足させながら、指定された基準を満たしたギヤセット設計の組み合わせを選択します。
- システム・オプティマイザーは既に使われているツールですが、より複雑なシステムを検討できるよう大幅にアップデートされ、生成される設計の質も向上しています。また、ユーザ・インターフェースも変更し、わかりやすさを高めるとともに、出力される設計をより細かくコントロールできるようになりました。
- システム・オプティマイザーのデフォルト・エディターは、5つのタブから構成され、最初の3つのタブでは、各ギヤセットの制約条件を設定して解を求め、4つ目のタブでは必要な安全率を設定し、最後のタブではマクロ諸元の最適化をどの程度徹底的に行うかを設定し、システム最適化を実行します。